技と仕事

設計

お客さまの好みを伺い、目線・動線を考え、設計する

庭づくりやリガーデンのご依頼をいただいたら、まずはお客様の好みやこだわりをじっくりとお伺いします。樹木はどんなものがお好みか、日当たりや木漏れ日はどの程度が心地よく感じられるか。同時に地形を見ながら、生活の動線やお客様の目線を十分に調べて庭の設計に臨みます。ですから、たとえば家を新築される場合などは、建物の設計を決める前に庭の設計のご相談をいただければ、地形を最大限に生かした理想的な庭づくりをご提案することができます。

使用する素材は自然のものばかりなので、詳細な設計図は作成しにくく、設計作業はおおむね頭の中で行います。イメージがしっかりと固まったら、それを言葉や絵などで表現してお客様にご提案します。

庭造りの知識やセンス、技術を高めるためにも、河合造園の庭師は先代の時代から、書画骨董を目にして美しい形を見極める感覚を磨き、さらに、時間があるとよく山の中に入り、自然の木々や石の表情を観察してきました。そうやって得た感覚、受け継いだ知識を生かし、自然が息づく庭の設計に臨んでいます。

仕入

イメージに合う自然素材を探し出して仕入れる

先にもお伝えしている通り、和の庭園に使う素材はすべて自然のものです。庭師が頭の中に描いた設計図にぴったりと合うような素材を探して仕入れることも、庭師の腕の見せどころとなります。河合造園では、先代、先々代からのネットワークも生かして、信頼の置ける石材や植木の販売業者と連絡を取り、実際に石の表情や樹木の幹の曲がり方などを確かめて、お客様の庭によく調和する良質で風情ある素材を見極め、取り寄せます。

素材を見立てる段階で、イメージを超えるような味わい深い素材に出合うこともあり、その素材に触発されてよりよい方向へと設計を修正することもあります。自然素材で構成する庭ならではのこういった「出合いの妙」も、和の庭づくりの楽しさのひとつです。こうして選りすぐった自然素材を組み合わせて、世界にひとつだけのお客様の庭を構成していきます。

施工

大がかりな重機を使う工程から繊細な手先の作業まで

使用する素材が決まったら、いよいよ施工に移ります。造園の施工には、じつにさまざまな技術が必要となります。大がかりなところでは、大きな石材や樹木を敷地内に運び入れ、配置するための重機などの操作。細かな手先の作業としては樹木の剪定や延段(のべだん:石を敷き詰めて作った通路)に施す加工など。そのすべてを河合造園の庭師が責任を持って実施します。

これらの施工はすべて、お客様の日々の生活を意識して仕上げていきます。素晴らしい眺めが実現できても、お客様の生活が不自由になるのでは本末転倒です。お客様の暮らしに寄り添い、日々喜びをもたらすような庭をつくるため、徹底して細部にまでこだわった施工を行います。

管理

経年変化を楽しみながら長く自然で美しい姿を保つ

庭師のもっとも重要な役割は庭の監理です。新たに完成した庭、再生させた庭をいかに自然で美しい状態のまま長く保っていけるか、そこに庭師の本領が発揮されます。お客様と庭師が信頼し合い、お客様が行う日常的な手入れに加えて、庭師が定期的なメンテナンスを施すことで、庭は、奥深い経年変化を見せながら長く生き生きとした美しい姿を保ちます。

仮にもし、手入れが行き届かず庭が荒れてしまったとしても、どうぞご遠慮なく私たちにご用命ください。どんなに荒れていても、私たち河合造園にお任せいただければ、責任をもって美しい庭に蘇らせます。